2017年8月31日木曜日

神宮司和子展 9/1fri. - 19tue.

会期:2017年9月1日(金)-19日(火)
11:00-18:00 水・木曜は休み








山梨県甲府市に住む神宮司和子の初個展。
統合失調症の病気が私に絵を描かせている、
障害者には障害者の心意気があるという神宮司。
描画を始めてからここ6年の間に描かれた
作品27点を展示いたします。








震える人
                         
神宮司さん
自分自身に、打ち震える人
病気あり、どうにも不安になってしまう時しばしば
褒められると、有頂天になりふわふわと漂い
そして崖からつき落とされる様な不安にまた落ち込む人
その落差の中で、薬の副作用からくる震える手を持ちて描画する
画紙には タバコの煙とコーヒーの滴

神宮司さんには、たくましき生きる力あり
甲府 愛宕山山麓の雑草生い茂る小さな家からヌウと現われる白髪のやまんばの如き眼に光あり
したたかな強さと、
人生への柔らかき姿勢保たんとして
孤独と、病気の原にて
紙とペン持ちて自らを解き放ち
コツコツと持続の作業をする

打ち震える魂と生きぬくたくましさに、祝福あれぞかし


川口園子(山梨・人ねっこアートワーク)








邂逅 ー出会いの時を迎える長い旅ー

 人生は長い旅とは云え、真の出会いはそう多くはない。時間には限りがあり、一期の出会いを気付かないまま見過ごしていることの方が遥かに多いからだ。神宮司和子さんは、たぶん私よりひとつ年下、昭和28年の二月生まれのはずだ。四十数年も前、山梨県のさる短大のキャンパスで彼女と遭遇していたはずなのに、出会ってはいなかった。もっとも後から聞けば、無理もない。国文科の学生だったが、半年ほどしかいなかったらしい。
 大学紛争が激化し東大の安田講堂籠城の実力行使がテレビ中継されていた頃、私が通っていた高校でも授業にならない日が続いていた。神宮司和子さんは、まだ高校生で甲府にいた。そして地元の短大に進学した。住んでいたのは、JR甲府駅の近く。ガスタンクのある踏切の山の上、英和学園がある裏手に当る。駅の構内放送も聞こえるくらいで歩けばすぐだが、車で行くにはずいぶん遠回りしなければならない。家族と共に、ごく平凡に暮らしていたのだろう。だが、時代は目まぐるしく動き出した。

 デザイナー、イラストレーター等々、ともあれ新しい横文字が若者を惹き付けた。理由等ない、それが時代の気分と云うものだ。東京の美術専門学校へ日大の芸術学部へと歩を進めたが、どれも資金が足りず中途半端のまま時が過ぎて行った。やがて来るバブル経済に向け時代は混沌としていた。憧れの仕事への挑戦や異性との出会いを重ねながら、少しづつ少しずつ精神は蝕まれて行ったのだろう。今から想うと、かなり深刻な状況になるまで病状は静かに進んで行った。時代は、三十年ほどあっと云う間に過ぎて行った。気が付けば、親も兄弟も亡くなり郷里にひとり住まいの身の上となっていた。今どき統合失調症の薬の服用は珍しくないが、かなりの長期に渡るはずだ。

 神宮司和子さんが現れたのは、坂本泉さんが主宰する甲府のアートのフリースペース・AIRYであった。展覧会を見に来た白髪の鬼女を、どこかに捨てて来た我が分身を見るようだと坂本は告白した。私も、そう感じたひとりである。時代が変転する中で脱ぎ捨て忘れ去ろうとして来たもの。それはいったい何なんだ!ぐっと、何か感じざるを得ない。それからだ。それぞれの、新たな模索が始まった。

 一緒に皆で展覧会をすること。個人的な手紙のやり取りをすること。AIRYの話題の客人となった彼女。ふとしたきっかけで、私は俳句と絵入りの短歌の往復書簡を一年ほど続けることになった。奇妙な片目の女のイラストが、何と毎日届いた!そして、高橋辰雄第一句集としてまとめられたのが「隻眼の鬼」である。私は難病で体調を壊し医大の眼科病棟に臥せったまま、何とか上程にこぎつけた。句界の住人には訳の分からないヘンテコなものだろうが、ともあれ句集である。詩人の中村みゆきが、おもしろい解説を試みているので、この三者のTRY-UNGLEを是非お楽しみ頂きたい。

 偶然ながら、どこか必然とも思われる経過。神宮司和子さんの営みは次第に広く知れ渡る様になった。まずは、嬉しい事態だろう。障害者のアートに共感する奇特な人。新たなアート表現を真剣に模索する者。流行に乗って一儲けを考える欲張り。カトリック教会の炊き出しの人達。強かな障害者と見ているらしい市の担当者。自分もまた同類の人間だと気付き始めた人。・・・実に様々な人達が、神宮司和子さんの周りに集まり始めた。狼狽えたのは、むしろ彼女の方だった。皆さんにご迷惑をかけたくないと、しきりに電話をかけて来る様になった。
 
 人は長い旅を経て、真の「私」に出会うのだろう。出会いには「他者」を必要とする。それぞれの「邂逅」の場である様な、アノニム・神宮司和子展であって欲しい!


高橋辰雄(美術家・ライター) 2017/8/2




2017年8月29日火曜日

邂逅展 終了しました



「邂逅 nui project×伊佐地桂子」展が終了いたしました。

県内外よりたくさんの方にお越し頂き、本当にありがとうございました。




会期中、今回の展示のストーリー(伊佐地さんの服と人生が、nui projectの服と、さらにはアノニム・ギャラリーとも不思議に絡み合い、この展示につながったこと)をお客さまに幾度となく話しました。そして、さまざまな思いや疑問が通奏低音として流れている展示だったことが、お客さまの反応から感じとれました。私自身にとっても、作品から、またお客さまの視点から学ぶところの多い展示となりました。



27日(日)の水溶シートで糸を縫うワークショップも楽しいひとときでした。





こんなのができました。



コースターづくりという名目のワークショップでしたが、
大きい布や、石田さんは帽子までつくっていました。





赤石商店さんで見たしょうぶ学園の映画「幸福は日々の中に」も素晴らしい映画で、久しぶりに映画を観て泣きました。


2017年8月26日土曜日

あと4日




早いもので「邂逅展」もあと4日となりました。
連日遠くからも近くからも足を運んでいただきありがとうございます。
刺激的な毎日です。
まだの方は、見応えのある展示ですので、ぜひお見逃しなく。


先日、しょうぶ学園の福森さんご夫妻にもお越しいただき、
伊佐地さんの服を見て「あれ?これしょうぶ(学園)の服じゃないの?しょうぶにもこんな服あったよねえ」という言葉をいただきました。嬉しくなりました。




2017年8月5日土曜日

邂逅展 はじまりました



「邂逅 nui project(しょうぶ学園) × 伊佐地桂子 展」がはじまりました。 
今回の展示は、久田(伊佐地)桂子さんが1990年代に「Isaji keiko」名義でファッションブランドをされていたころの洋服と、しょうぶ学園のnui projectの作品が「邂逅」する場となっています。


2013年に久田さんがとある美術館でnui projectの作品を見て「私がいる」と思ったという話を聞き、さらに一昨年久田さんのアトリエで過去の作品を見せていただいたときに、正直このままこれらの作品が歴史の渦の中に消えてしまうのは信じられない、どうにかしたいと思いました。





しょうぶ学園のnuiの作品は10年くらい前に東京のギャラリーで見て感動し、九州一人旅の際にも見学に伺ったりして、ずっと展示できたらいいなあと思っていた憧れの作品たちです。こうして、アノニム・ギャラリーに並んでいる姿を見て、いいなあいいなあとその都度夢のように思います。






かたや福祉の現場で生まれ、作品としても評価もあるヌイ・プロジェクトの服と、流行の激しいファッションの世界で作られてきた伊佐地桂子の服を、異なる道筋ではありながらも同じ強い感性を持ったものとして並置したいと思い企画した展覧会です。

nui projectの作品は10点、Isaji keikoの服も10点。
似ているところもあるし、もちろん全然ちがう。
どちらも圧倒的な時間と力を注いでつくられているということがつたわってきます。

今月29日(火)までです。
皆さまのお越しをお待ちしております。









2017年8月2日水曜日

偶然の一致


8月のアノニム・ギャラリーはしょうぶ学園のnui projectの作品を展示させていただくのですが、なんと伊那・赤石商店さんでは8月のシネマスタジオでしょうぶ学園のドキュメンタリー映画「幸福は日々の中に。」が上映されるとのことです。

同じ8月に、同じしょうぶ学園をテーマに扱うということでご縁を感じております。

赤石商店さんで映画を観て、アノニム・ギャラリーで作品を見て、
鹿児島から遠く離れた、長野県内で「しょうぶ学園ツアー」はいかがでしょうか。









2017年8月1日火曜日

8月の営業






8月になりました。
最近アノニム・ギャラリーにはこんな素敵な作品が入りました。
40年前ごろの作品。ピアノが欲しかったけれど買ってもらえなくて自分で作って練習していたという、とある少年の手描きピアノ鍵盤(木の板)とのことです。作者はもちろんアノニム(作者不明)です。このような作品を飾ることができて幸せを感じます。
他にも、あるだけで幸せな気持ちになるような作品がぞくぞくとやってきておりますので、ぜひ見にいらしてください。


〇8月の展覧会〇


△開催中 - 8月1日(火) anonym gallery collection
                       
▲8月4日(金)- 29日(火) 邂逅 nui project(しょうぶ学園) × 伊佐地桂子 展  →exhibition page

△9月1日(金)ー 19日(火) 神宮司和子 展



〇8月のお休み〇
2, 3, 9,  10,  16,  17,  23,  24,  30,  31
水・木曜の定休日です。



〇邂逅 展関連イベント「さをり織をつかって糸でコースターを作ろう」
水溶シートを用い、糸で糸を縫ってコースターを作るワークショップです。
出品作家の久田(伊佐地)さんが製作スタッフとして関わる「風の工房」で作ったフミコさんの「さをり織」をアクセントに使います。
講師 久田桂子(伊佐地桂子)
日時 8月27日(日)11:30~17:30のあいだ 随時 受け付けています(予約不要)
所要時間は30分です。
参加費 500円 作った作品はお持ち帰りいただけます。
お問い合わせ アノニム・ギャラリー 0266-75-1658






〇8月の「アノニム塾」〇
美術評論家・小倉正史さんによる月1回の現代アート講座「アノニム塾」。
講師  小倉正史
日時  8月19日(土) 15:00- 
場所  アノニム・ギャラリー
受講料  投げ銭制(千円くらいだとありがたいです)





〇フラダンス教室「Mikinolia ミキノリア」〇 
月2回のフラダンス教室。晴れた日にはアノニム・ギャラリーの庭で踊ります。
講師  春原薫
日時  8月7日(月) ・ 21日(月) 10:00-12:00    
場所  アノニム・ギャラリーの庭
受講料  2000円/回 お茶付